少年が少年に殺される 殺した少年を罪に定める法律がない

くましろ昭彦国会短信第36号(00/9/25)

 お元気ですか。6月25日衆院選挙有り難うございました。心からなる感謝の思いを込めて短信をお送り致します。

1 少年が少年に殺される。殺した少年を罪に定める法律がない

 これが日本の少年犯罪についての庶民の思いです。少年法と刑法が、少年達を故意に無法地帯に置いているのです。強く、凶悪な少年を保護し、弱い、殺される少年達を無法地帯に置き去りにして、知らぬ顔の法曹関係者。彼らに良心は無いのだろうか。国会議員は立法者です。少しでも良心のある国会議員はすぐに立ち上がるべきです。 

 私は1人でも立ち上がりたい。一歩一歩ねばり強く前進して、必ず少年法と刑法の抜本的改革を必ず実現します。日本のNPO法を、多くの時、たった1人でねばり強く追求し、立法に成功したあの経験をここにも再現したいと思います。

2 与党改正案は大きな一歩前進ではあると評価

 与党改正案の概要は次のとおりで、未だ根本的改革には遠いが、大きな一歩前進ではあると評価します。

(1)刑罰適用年齢を現行の16歳以上から14歳以上に引き下げる。

(2)殺人、強盗致死等相手を死亡させた重大事件を犯した16歳以上の少年については、家庭裁判所は原則として検察官に逆送し刑事裁判の対象とする。

(3)家裁が認める場合は審判に検察官の関与を認め、検察官の高裁への抗告受理申し立てを認める。

(4)少年事件の被害者にも意見陳述権、審判記録の閲覧、コピーを認める。また、家裁が被害者に審判結果を通知する。

3 与党の人に考えて頂きたいこと

(1)法律が第一義的に守らなければならない人達は犯罪の被害者です

 法律は弱者の権利を守る為にあるのです。強い人には法律はむしろ邪魔なのです。従ってある人に法律を適用しないようにすること又は極めて甘い法律を適用するようにすることは、その相手方から法律の守りを奪ってしまって、弱いその人達を無法地帯に置き去りにしてしまうのです。 

 少年犯罪の対象者は主として弱い少年達なのです。16歳未満の少年に刑罰法規を適用しないということは16歳未満の弱い少年達を無法地帯に置くことなのです。中学校と高校のいじめと凄惨な暴力行為の横行はそのことをはっきり示しています。自殺しなければ逃れられない無惨ないじめ、暴力行為の中に弱い優しい少年達を放置しているのは少年法と刑法の欠陥そのものです。刑法(14歳未満)の刑罰不適用年齢の規定とそれをさらに引き上げた少年法(16歳未満)の規定がその元凶です。従って、一番根本的な改革は、少年法による刑罰適用年齢の特例を廃止し、刑法の刑罰適用年齢を10歳以上(ニューヨーク州では既に7歳以上にしています。この点に関してはさすがアメリカと言わざるを得ません。)に下げることです。そして少年法は軽い窃盗などの初犯の少年だけに限るか廃止すべきです。

(2)原則逆送の対象を死亡事件に限った与党の一部の主張は弱い少年達をいじめの中に放置することです

 複数の少年による強姦罪、死亡はさせないが執拗な傷害罪、極めて悪質な集団万引き罪等を犯した少年を原則逆送から外して、従来通りにしておくことは、これらが横行している中学校、高校の弱い被害者の少年達を相変わらず無法地帯に放置することです。一見ヒューマニズムに見えることが実は全く非人間的な結果をもたらすことのあることの良い実例です。

(3)少年にも適正な法手続を保証しなければ憲法の精神に反する

 今既に少年法の世界の潮流は50年前と全く逆の方向に正しく進んでいます。日本だけがウルトラ守旧派の法曹関係者に任せきりにしたために、1周も2周も遅れてしまいました。今の世界の潮流は、少年に弁護士も検事もいる普通の裁判を保証しないで、簡略な家庭裁判所ですまそうとするのは適正な法手続きの保証(DUE PROCESS OF LAW の保証)を全ての人にしている憲法(日本国憲法では31条)の精神に反するとするものです。犯罪少年とされた少年の冤罪を防止するためにもこれが必要なのです。

(4)不当に軽い処罰を受けることは少年の健全育成につながらない 

 少年であるというだけの理由で重大な罪を犯しても不当に軽い処罰を受けることは決して少年の健全育成につながりません。犯した罪相応の罰を受けてこそ、その少年は正義の原則を理解するのです。厳罰化という言葉は人を欺く言葉で、それを強調する人は間違いなくエセヒューマニストです。大切なことは罪に相応する普通の罪を負わせることです。それに勝る教育はありません。また、そのことによって初めて犯罪被害者とその家族は正義が回復されたと感じるのです。

(5)少年が長期の服役をするときは教育や児童福祉を真剣に考える

 略式の家裁の裁判でなく、普通の裁判を、重い罪を犯した少年とその被害者になった少年と家族に保証することが大切なのです。弁護士と検事と裁判官の3者の立ち会うシステムが健全に働いて妥当な判決が下されることが少年達にも、保証されなければなりません。その結果、少年が長期の服役をするときは教育を、また、児童福祉を真剣に考えるよう刑法の体系と少年法並びに児童福祉法を充実することが正しい在り方であると思います。 

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